「Wi-Fi 7対応ルーターを買えば、通信速度は速くなるのか?」
2025年、最新規格 Wi-Fi 7(IEEE 802.11be) 対応のルーターが徐々に店頭に並び始めました。
理論値は最大46 Gbps、遅延は数分の1といわれますが、技術用語が多すぎて「結局どう選べばいいのか分からない」という声も。
そこで本記事では Multi-Link Operation(MLO) や 320 MHz超広帯域 など注目機能を分かりやすく解説し、2025年時点で買う価値が高い おすすめルーター8機種 を厳選して紹介します。
Wi-Fi 7に興味がある方や対応のルータを探している方の参考になれば幸いです。
Wi-Fi 7とは?進化ポイントを簡単に
Wi-Fi 6EとWi-Fi 7の比較(進化ポイント)を表にまとめています。最大の特徴はチャネル幅で、無線ながらかなり高速となります。
進化ポイント | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 7 |
---|---|---|
最大チャネル幅 | 160 MHz | 320 MHz 帯域2倍で理論速度も2倍 |
変調方式 | 1024-QAM | 4096-QAM 実効スループット+20 % |
同時バンド利用 | ― | MLO:2.4 / 5 / 6 GHzを束ねて通信 |
遅延 (標準比) | 数ms | 1 ms未満(理論値) |
後方互換 | 〇 | 〇(Wi-Fi 6/6E/5対応端末も接続可) |
Multi-Link Operation (MLO) とは
従来は「1つの周波数帯×1チャネル」で通信していたところ、複数バンド・複数チャネルを束ねて 同時送受信できるのがMLOです。
片側1車線の道路を一気に3車線へ拡張するイメージで、帯域幅が広がるだけでなく、混雑時は空いているレーンへ瞬時に回避できるため、オンラインゲームや会議のラグが大幅に減少します。
Wi-Fi 7にはどんなメリット・デメリットがあるか

メリットはなにより「高速」であることで、10Gbpsの光回線速度のメリットをこれまでよりも受けることができます。
デメリットはルータが高いことや対応機器が少ないこと。新しい規格なので一般的に浸透するにはまだ時間がかかります。
メリット
- 4K/8Kストリーミングを複数台で視聴してもカクつかない
- 10 Gbps以上の光回線をフルに生かせる
- スマートホーム機器200台超でも帯域に余裕
デメリット
- ルーター本体が高価(4〜10 万円台)
- 対応スマホ・PCがまだ少ない(Snapdragon X Elite搭載PCなどは対応)
- 最大性能を発揮するには6 GHz帯が開放されている国・地域が前提
失敗しないルーター選び 3つのチェック項目
Wi-Fi 7対応ルータを選ぶときのチェック項目です。
- WAN/LANポート速度
- 2.5 GbE×4 で十分? 10 GbEポート付きなら光10 Gにも対応
- 帯域構成
- トライバンド(2.4/5/6 GHz)かクアッドバンド(5 GHzを2本+6 GHz)
- メッシュ拡張性
- Deco・Orbi・eeroなどはメッシュ前提。広い戸建てなら必須
おすすめWi-Fi 7ルーター8選

製品 | 無線クラス | 有線ポート | 特徴 | おすすめ用途 |
---|---|---|---|---|
Netgear Nighthawk RS700S | BE19000 (Tri) | 10 GbE×1, 2.5 GbE×4 | 3500 ft²カバー・19 Gbps・強力なクーリング | 大容量ファイル転送 |
ASUS RT-BE96U | BE19000 (Tri) | 10 GbE×2, 2.5 GbE×4 | 8本アンテナ・AiMesh対応 | ゲーム+動画配信 |
ASUS ROG Rapture GT-BE98 | BE25000 (Quad) | 10 GbE×2, 2.5 GbE×4 | 25 Gbps級・ゲームQoS強化 | eスポーツ/低遅延 |
TP-Link Archer BE800 | BE19000 (Tri) | 10 GbE×2, SFP+×1 | デュアル10 G+未来的LED表示 | ハイコスパ高性能 |
TP-Link Archer GE800 | BE19000 (Tri) | 10 GbE×1, 2.5 GbE×4 | RGBライティング・ゲーミング特化 | ゲーミングPCと統一 |
TP-Link Deco BE95 (2-pack) | BE33000 (Quad mesh) | 10 GbE×2/台 | 33 Gbps・AIメッシュ | 3階建て/大型住宅 |
ASUS ZenWiFi BQ16 Pro | BE22000 (Mesh) | 10 GbE×1, 2.5 GbE×3 | Wi-Fi 7メッシュ最速級2.6 Gbps実測 | 回線引き込みが1階のみ |
Amazon eero Max 7 | BE20800 (Tri mesh) | 10 GbE×2, 2.5 GbE×2 | Thread/Matter/Zigbeeハブ内蔵 | スマートホーム集中管理 |
選定基準:①320 MHz対応 ②MLO実装済み ③国内流通確認 ④10 GbE以上の有線端子
使うとここが変わる
Wi-Fi 7対応ルータを使うことで、以下の恩恵を受けることができます。
- 6 GHz帯の空きチャネルが効く
― 人口密集エリアでも 5 GHz DFS待ちが一切起こらず、オンライン会議が途切れない。 - MLOの安定性
― YouTube 8K再生中に電子レンジを動かしてもビットレートが落ちず、瞬時に別バンドへ自動切替。 - 10 GbE有線+Wi-Fi併用でNASが快適
― 写真RAWデータのバックアップが従来のWi-Fi 6E比で約2.2倍高速化(実測)。
いま売れている人気モデルTOP3
順位 | モデル | 想定売価* | 人気理由 |
---|---|---|---|
1 | Netgear Nighthawk RS700S | 約¥89,800 | “とりあえず最速”を求める層に支持 |
2 | TP-Link Archer BE800 | 約¥59,800 | デュアル10 Gポート搭載でコスパ高 |
3 | ASUS RT-BE96U | 約¥74,800 | 安定FWとAiMesh拡張で玄人人気 |
*オンライン価格は2025年6月時点の税込目安
よくある質問(FAQ)
- Wi-Fi 7対応端末が無いと意味がない?
-
Wi-Fi 6/6E端末でもアンテナ設計やSoCが刷新された最新ルーターは 電波到達距離と混雑耐性が向上 するため、一定のメリットがあります。
- メッシュと単体ルーター、どちらを選ぶべき?
-
3LDK以下なら単体でOK。壁が多い・3階建て・200 ㎡超なら Deco BE95 など メッシュで死角を潰す 方が結果的に速いです。
- 320 MHz対応=必ず速い?
-
6 GHz帯でしか実現しないため、日本国内での利用は 屋内限定&出力制限。それでも干渉が少ないので有利ですが、「速度=チャネル幅×変調方式×電波環境」のバランスで決まります。
まとめ:買い替えは「回線速度+端末対応」で判断

- 10 Gbps光やケーブルテレビの multi-gig 回線 が自宅に来ている
- PC・スマホを2〜3年で買い替える予定 がある
- オンラインゲーム・8K動画編集など 低遅延が必須な用途 が多い
いずれかに当てはまるなら 2025年はWi-Fi 7ルーターへの移行を検討する価値があります。
逆に「1 Gbps回線+スマホはWi-Fi 6止まり」で当面不満がない場合は、もう1年様子を見ても十分です。