「4K120Hz はもう当たり前、8K や 540Hz の世界へ――」そんな次世代映像体験を支える鍵が DisplayPort 2.1となります。
最大 80Gbps(UHBR20)という膨大な帯域を武器に、RTX 50 シリーズや次世代 Radeon が 4K240Hz/8K120Hz をネイティブ表示できるようになりました。
本記事では DP2.1 の仕組み・HDMI 2.1/DP 1.4 との違い・対応 GPU/モニター早見表・おすすめケーブル までを一気に解説していきます。ケーブル1本で性能が変わる世界へようこそ。
DisplayPort 2.1とは?進化のポイント
帯域が桁違い
- UHBR20(最大80Gbps)—従来 DP 1.4 の HBR3(32.4Gbps)の約 2.5 倍。
- UHBR13.5(54Gbps)/UHBR10(40Gbps) と階層化され、ケーブル品質で段階的に対応。
1-2 圧縮技術 DSC 1.2a を前提
- 4:2:2/4:2:0 に頼らず DSC1.2a を使用して**“無視できる圧縮率”**で 8K120Hz/HDR10 を実現。
- 伝送遅延は 1/100,000 秒レベルで、eスポーツ用途でも問題なし。
USB4/Thunderbolt 5 との親和性
- DP2.1 Alt Mode は USB4 v2(80Gbps双方向) と共通PHYを使用。TB5 ドック一体型モニターが発売され始めており、ケーブル1本で映像+40Gbpsデータ+240W PD を同時伝送できる。
要点:帯域・効率・拡張性の三拍子が揃い、“8K ゲーム/500Hz+ eスポーツ”時代に HDMI 2.1 を超える本命規格が DP 2.1 である。
DP 2.1 vs DP 1.4 vs HDMI 2.1:スペック比較表
項目 | DisplayPort 2.1 | DisplayPort 1.4 | HDMI 2.1 (2.1a FRL) |
---|---|---|---|
最大有効帯域 | 80Gbps(UHBR20) | 32.4Gbps(HBR3) | 48Gbps(FRL 12G×4) |
コネクタ形状 | DPフル/USB-C Alt | DPフル/Mini DP | HDMI Type-A |
非圧縮解像度 | 8K60Hz / 4K240Hz / 5K360Hz | 4K120Hz / 8K30Hz | 8K60Hz / 4K144Hz |
DSC使用時 | 8K120Hz / 4K480Hz / 10K60Hz | 8K60Hz / 4K240Hz | 10K120Hz / 4K240Hz |
VRR (可変リフレッシュ) | 30~540Hz | 30~240Hz | 24~240Hz |
HDR規格 | HDR10+ / DCI-P3 100% | HDR10 | HDR10 / Dolby Vision |
オーディオリターン | eARC相当(USB4経由) | なし | eARC |
ケーブル長目安 | UHBR20: 1.0m / UHBR13.5: 2m / UHBR10: 3m | HBR3: 3m | 48Gbps: 2m (光: 10m+) |
表のポイント:HDMI 2.1 は帯域こそ 48Gbps だが、クロック効率が低く“実効 42Gbps”前後。DP2.1 UHBR20 はノイズマージン確保のため公称 80Gbps でも 実効 77.4Gbps を確保しており、8K120Hz でも色深度 10bit/HDR10+ をフルサポートできる。
対応デバイス早見表(2025年7月時点)
GPU/APU
ベンダー | シリーズ | DP 2.1モード | 備考 |
NVIDIA | GeForce RTX 50xx | UHBR13.5 | RTX5090 はUHBR20解禁FW予定 |
AMD | Radeon RX 7900/8900 シリーズ | UHBR13.5(Navi3x) | Pro W7800 はUHBR20 |
Intel | Arc Battlemage | UHBR10 | モバイル限定 |
3-2 モニター
サイズ | リフレッシュ | 代表モデル | DP2.1実装 |
32″ 4K 240Hz | 240Hz | ASUS ROG Swift PG32UCDP | UHBR13.5 |
27″ QHD 540Hz | 540Hz | Dell Alienware AW2725DF | UHBR10 |
55″ 8K 120Hz | 120Hz | TCL X955 MiniLED | UHBR20 + DSC |
45″ 5K 165Hz 超ワイド | 165Hz | LG UltraGear 45WQHD | UHBR10 |
メモ:32型 4K240 の “UHD eSports” や QHD 540Hz モデルは DP 2.1 ケーブル必須。RTX 40 世代でも動作はするが DP1.4 DSC では帯域ぎりぎりで 10bit/HDR が切られるケースがある。
おすすめDP 2.1ケーブル5選
製品 | 帯域対応 | 長さ | 特徴 |
Club3D CAC-2069 | UHBR20 80Gbps | 1.0m | DP認証取得第1号、RTX50公式検証済み |
VESA Certified UHBR13.5 Cable (Accell) | UHBR13.5 54Gbps | 2.0m | 2m で4K240/8K60確実、柔軟PVC |
Cable Matters DP 2.1 Fiber | UHBR20 | 5.0m (光) | AOC光ファイバタイプ、8K120 長距離配線 |
Anker NitroSync DP80 | UHBR20 | 1.5m | 38AWG銅+亜鉛合金シェル、低ノイズ |
UGREEN DP 2.1 Right-Angle | UHBR10 | 3.0m | L字コネクタで壁掛けPCに便利 |
ケーブル選びのコツ
- 長さは短く:UHBR20 対応は現状 1m が上限。2m 以上なら UHBR13.5 か光ケーブルを選択。
- VESA 認証ロゴ:DP 2.1 ケーブルは VESA の認証シールで帯域クラスが明示。パッケージ裏を必ず確認。
- DSC 非対応環境:古いモニターやキャプボの場合、非圧縮でしか映らないので RTX 50+UHBR20 ケーブルに統一しておくと安心。
よくある質問(FAQ)
- HDMI 2.1 ケーブルで DP 2.1 代用できる?
-
できません。物理層/プロトコルが異なり相互変換にはアクティブコンバータが必要。必ず DP 2.1 対応ケーブルを用意してください。
- DP 2.1 Alt Mode over USB-C は同じ性能?
-
帯域は同じですが給電やデータ伝送を共有するため実効映像帯域は 40–54Gbps 程度に制限される場合があります。フル 80Gbps を必要とする 8K120Hz はフルサイズ DP 端子推奨。
- 古い DP 1.2 モニターに繋ぐとどうなる?
-
ケーブルが DP2.1 でも GPU/モニターが DP1.2 なら HBR2(21.6Gbps)にフォールバック。相互下位互換なので映像は問題なく表示されます。
- ケーブルが原因でブラックアウトが起きる?
-
UHBR20 帯域はシビアで、粗悪ケーブルでは 4K240Hz で映像が消えることがあります。症状が出たら短い or 認証済みケーブルへ交換が最短解決です。
まとめ:買い替え&配線のベストプラクティス
- 4K240 / 8K120 / 500Hz 超 を狙うなら GPU・モニター・ケーブルすべて DP 2.1 で統一。ボトルネックが1つでもあると真価を発揮できない。
- 長さは最短優先:UHBR20 を活かすなら 1m。PCとモニターの距離がある場合は USB4 ドック+光ケーブルを検討。
- HDMI 2.1 併用派はプロファイル理解を:HDR10+/VRR は両規格対応だが、帯域効率・リフレッシュ上限で DP が有利。ゲーム機(PS5/Xbox)用途を除き DP 主軸がベター。
結論:DisplayPort 2.1 は 2025 年の“映像配線最終回答”。RTX 50 世代と 4K240/QHD540Hz モニターの組み合わせなら、まずは 認証取得 UHBR20 ケーブル 1m を一本入手し、その性能を最大限引き出そう。