「マクロ撮影を始めたい」「一本で長く付き合えるマクロレンズが欲しい」、そんなソニーユーザーに向けて登場したのが、FE 100mm F2.8 Macro GM OSS(SEL100M28GM)です。
最大撮影倍率1.4倍、テレコン使用時は最大2.8倍まで拡大でき、これまでのマクロレンズを超えた1本です。
この記事では、下記の視点からマクロ撮影にどっぷり寄せた視点でレビューしていきます。
- そもそも「マクロ撮影」とは何か
- SEL100M28GMがマクロ撮影に強い理由
- 商品撮影・花・小物などシーン別のおすすめ設定
- α1II / α7RV / α7IV との相性
- 90mmマクロ(SEL90M28G)から買い替えるべきか
この記事でわかること
- マクロ撮影の基礎と、倍率1.4倍の意味
- SEL100M28GMのスペック・特徴をマクロ撮影目線で整理
- 商品・ガジェット・花・昆虫など、シーン別の設定例
- α1II / α7RV / α7IVユーザーが得られるメリット
- 90mmマクロとの違いと、どっちを選ぶべきか
マクロ撮影とは?「等倍(1.0倍)」と「1.4倍」の違い
まずは軸となる「マクロ撮影」から整理しておきます。
- 一般的なマクロレンズ
- 最大撮影倍率1.0倍(等倍)が標準
- 被写体の実寸と同じ大きさでセンサーに写る
- SEL100M28GM
- 最大撮影倍率1.4倍
- 被写体を実寸の 1.4倍の大きさでセンサーに写せる
さらに、1.4x/2.0x テレコンバーターに対応し、2.0倍・2.8倍まで拡大できるので、肉眼では見えない質感まで作品にできるのがこのレンズの本質です。
SEL100M28GM 概要・スペック(マクロ撮影目線で整理)

FE 100mm F2.8 Macro GM OSS(SEL100M28GM) の主な仕様は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | FE 100mm F2.8 Macro GM OSS |
| 型名 | SEL100M28GM |
| 対応マウント | ソニーEマウント(35mmフルサイズ対応) |
| 焦点距離 | 100mm |
| 開放F値 | F2.8 |
| 最短撮影距離 | 約0.26m |
| 最大撮影倍率 | 1.4倍(テレコン使用時 最大2.8倍) |
| 絞り羽根 | 11枚 円形絞り |
| 手ブレ補正 | 光学式手ブレ補正(OSS) マクロ撮影向けにZ軸(前後)も補正対象に追加 |
| AF駆動 | 4基のXDリニアモーターによる高速・高精度AF |
| レンズ構成 | 13群17枚(XAレンズ・EDガラスなど) |
| フィルター径 | 67mm |
| 重量 | 約646g |
マクロ撮影で感じる SEL100M28GM の5つの強み

1.4倍マクロ+テレコンで「顕微鏡レベル」の世界

前述の通り、SEL100M28GMはレンズ単体で1.4倍。さらに1.4x/2.0x テレコンを使うことで、最大2.8倍まで拡大できます。
- ネジの頭・時計のリューズ・ICチップ
- 花粉・葉脈・水滴の形
- プラモデルのディテール
といった 「普通のマクロでもギリギリ」な被写体を、画面いっぱいにドーンと写せるのが他のマクロと大きく違うポイントです。
G Masterらしい高解像+柔らかいボケ
- XA(超高度非球面)レンズやEDガラスで、収差を徹底的に抑えた設計
- 画面の中心〜周辺まで、細部がシャキっと解像する描写
- 11枚絞りによる、円形に近い玉ボケ
マクロ撮影では、「解像」と「ボケ」の両立が作品の印象を決めます。
SEL100M28GMは、「細部はカミソリのように解像するのに、背景はトロッと溶ける」という、G Masterらしい描写をマクロ撮影でもしっかり再現してくれます。
マクロ専用チューニングのOSSで前後ブレも補正
一般的なレンズの手ブレ補正は、
- 上下左右のシフトブレ
- 回転ブレ
が中心ですが、SEL100M28GMはそこに被写体との「前後方向(Z軸)」のブレ補正も加わっています。
マクロ撮影は、「ほんの数ミリ前後に動いただけでピントがズレる」世界なので、この Z軸補正の有無は、手持ちマクロの歩留まりに直結します。
特に
- 屋外での花・昆虫
- 三脚が立てにくい室内のテーブルフォト
では、このレンズのOSSがかなり効いてきます。
4基のXDリニアモーターによる高速AF
SEL100M28GMは、AF駆動に4基のXDリニアモーターを採用。従来の90mmマクロよりも最大約1.9倍高速化したとされています。
- 動きのある被写体(小さな虫・水滴の揺れなど)
- α1 IIのような高速連写ボディとの組み合わせ
で、マクロレンズとは思えない追従性能を体感できるはずです。
マクロ撮影向きの操作性(フルタイムDMF・距離表示付きMF)
外観・操作まわりで特にマクロ撮影に効くポイントはここ。
- フルタイムDMFスイッチ
- AF中でもフォーカスリングを回すだけで即座に微調整が可能
- フォーカスリングをスライドしてAF/MF切り替え
- 機械的なストッパー付きで、無限遠〜最短までの位置が手に伝わる
- フォーカスレンジリミッター
- 近距離/遠距離/フルから選べて、ピントの迷いを最小限に
マクロ撮影は「微妙なピント位置のコントロール」に命がかかっているので、このあたりの操作性は、スペック表では見えないけど実際の撮影で効いてくる部分です。
シーン別:SEL100M28GMで楽しむマクロ撮影&おすすめ設定
ここからは、実際のマクロ撮影をイメージしやすいように、シーンごとの撮影イメージと設定の目安を書いていきます。
ガジェット・商品撮影(物撮り)
想定シーン
- キーボードのキーキャップ
- カメラのダイヤル・レンズ文字
- 時計・アクセサリーのディテール
設定の目安(室内・定常光 / ストロボあり)
- 絞り:F8〜F11(ディテール優先、被写界深度を確保)
- シャッタースピード:1/60〜1/160秒
(三脚&ストロボなら1/160〜1/200秒でもOK) - ISO:100〜400(できるだけ低くキープ)
- フォーカスモード:AF-S+フルタイムDMF
- 合焦エリア:スポット/拡張スポット
- 手ブレ補正:ON(三脚時はOFFにしてもOK)
ポイント
- ロゴや刻印にきっちりピントを置きつつ、背景は大きくボカす
- 1.4倍マクロを活かして、小さな文字やパーツを画面いっぱいに
- αボディのフォーカスブラケット機能と組み合わせれば、
ピントをずらしながら複数枚撮影 → 後処理で合成することで、
全体にピントの合った「広告ビジュアルのような物撮り」も狙えます。
花・植物のマクロ撮影
設定の目安(屋外・自然光)
- 絞り:F4〜F8
- 花びらの質感を出すならF5.6前後、背景をふわっと飛ばしたいならF4
- シャッタースピード:1/250秒以上(手持ちでのブレ対策)
- ISO:100〜800(光量に応じて)
- AF-C+追従AF(わずかな揺れに対応)
- 手ブレ補正:ON
ポイント
- 花粉や花びらのフチにピントを置きつつ、背景を滑らかにボカす
- 逆光気味に構えると、玉ボケがきれいに出やすい
- 1.4倍マクロにより、花の一部だけを切り取った抽象的な表現も作りやすい
時計・機械式パーツ・ミニチュア
設定の目安(室内・ストロボ/LEDボックス)
- 絞り:F8〜F16(被写界深度重視)
- シャッタースピード:1/100〜1/200秒
- ISO:100〜400
- 三脚+マクロスライダー使用推奨
- 必要に応じてフォーカスブラケット → 合成
このあたりは、実際に時計のリューズやロゴを2倍テレコン付きで撮影したレビューでも、肉眼では気づかないレベルの凹凸や文字の潰れまで見えてくる、と紹介されています。
α1 II / α7R V / α7 IVとの相性とおすすめ設定
α1 II × SEL100M28GM
- 高画素+高速連写+高速AFの組み合わせで、動体マクロにも対応
- 120fpsクラスの連写と組み合わせて「微妙に揺れる被写体」も歩留まりを上げられる設計です。
おすすめの使い方
- 昆虫・水滴など、動きのある被写体にチャレンジ
- 電子シャッター+連写で、細かな動きを一気に撮り切る
α7R V × SEL100M28GM
- 高画素+最新AF+フォーカスブラケット機能が強み
- フォーカスブラケット→合成で、プロダクト系の作品作りには最強クラスの組み合わせです。
α7 IV × SEL100M28GM
- 画素数・AF・扱いやすさのバランスが良く、初めて本格的なマクロ撮影に踏み込む人に扱いやすい組み合わせ。
SEL100M28GM vs SEL90M28G「90mmマクロから買い替えるべき?」
ソニーのマクロといえば、長年定番だったのが FE 90mm F2.8 Macro G OSS(SEL90M28G)。
こちらは最大倍率1.0倍のマクロレンズで、今でも評価の高い一本です。
主な違い(ざっくり)
- 最大倍率
- 90mm:1.0倍
- 100mm:1.4倍(テレコンで最大2.8倍)
- 絞り羽根
- 90mm:9枚
- 100mm:11枚(よりきれいな円形ボケ)
- AF駆動
- 90mm:DDSSM
- 100mm:4基のXDリニアモーター(AF最大約1.9倍高速)
- OSS(手ブレ補正)
- 90mm:従来方式
- 100mm:マクロ向けにZ軸(前後)も補正対象に拡張
どんな人が買い替える価値があるか
買い替えを強く検討していい人
- 商品・ガジェット・時計・アクセサリーなど
- 「さらに寄りたい」「もっとディテールを見せたい」と思うことが多い
- フォーカスブラケットやテレコンを組み合わせた作品撮りをしたい
- α1 II や α7R Vなど、最新ボディとの組み合わせで
「G Master マクロのフラッグシップ」を使い切りたい
90mmマクロのままでも十分な人
- 主な被写体が「花・テーブルフォト・ポートレート」で、
そこまで1.4倍&テレコンが必要ではない - すでに90mmマクロの描写に満足しており、
買い替えコストを他のレンズに回したい
マクロ撮影をもっと楽しむためのテクニック
SEL100M28GMの性能を活かすために、
マクロ撮影全般で意識しておきたいポイントもまとめておきます。
- 三脚とマクロスライダーを用意する
- 特に1.4倍以上の拡大域では、三脚+スライダーがあると作業効率が一気に上がります。
- 光をコントロールする(LED・ストロボ)
- マクロ撮影はF8〜F16まで絞ることが多く、どうしても光が足りなくなりがち。
- 定常光や小型ストロボを組み合わせると、ISOを抑えたクリーンな画が撮りやすくなります。
- 背景を意識して“ごちゃつきを消す”
- 被写体の背後の距離をしっかり取る
- 無地の紙・黒い布・木の板などを背景にする
→ マクロ撮影ならではの「主役だけが浮かび上がる」写真になります。
- フォーカスブラケット+合成で“全部にピント”の世界へ
- レンズの性能をフルに引き出したいなら、
フォーカスブラケット機能+ソフトでの合成はぜひ試したいところです。
- レンズの性能をフルに引き出したいなら、
こんな人に SEL100M28GM をおすすめしたい
- マクロ撮影を作品レベルで突き詰めたい
- ガジェット・時計・カメラ・PCパーツなど、ディテールの美しいモノ撮りが多い
- 「今後10年、ずっとメインで使えるマクロが欲しい」
- α1 II / α7R V / α7 IV など、最新ボディを活かしきりたい
- ストックフォトや商用撮影で、ディテール勝負で差をつけたい
逆に、
- 「とりあえず、たまに花を撮るくらい」
- 「価格を抑えたマクロが欲しい」
という場合は、50mmマクロや90mmマクロから始めても十分楽しめます。
よくある質問(FAQ)
Q. マクロ撮影初心者がいきなりSEL100M28GMを買っても大丈夫?
A. 「本気でマクロ撮影を続けるつもりなら、むしろ最初からこれでOK」です。
価格は高めですが、
- 1本で「等倍以上」の世界までカバー
- 解像・ボケ・AF・OSSも妥協なし
なので、買い足し・買い替えを重ねるより、
最初からゴールのレンズを持ってしまったほうが結果的に安く済むパターンも多いです。
Q. 手持ちでマクロ撮影できますか? 三脚必須?
A. 手持ちでも十分いけますが、「1.0倍を超える領域」では三脚があった方が安心です。
- OSS+Z軸補正のおかげで、
手持ちマクロとしてはかなり優秀な部類です。 - ただし1.4倍〜テレコン使用時の2.8倍では、
数ミリの前後ブレでピントが外れる世界なので、
本気の作品撮りは三脚+マクロスライダー推奨です。
Q. 90mmマクロを持っています。買い増し?買い替え?
- 「より寄りたい」「テレコンも使って極端なマクロをやりたい」なら → 買い増し or 買い替え候補
- 「花・ポートレート中心で、1.0倍あれば足りている」なら → 90mmマクロ継続でもOK
まとめ:マクロ撮影を本気でやるならSEL100M28GMは最終候補
最後に、この記事のポイントをもう一度整理すると…
- マクロ撮影の基準となる「1.0倍」を超える1.4倍マクロ(テレコンで最大2.8倍)
- G Masterらしい高解像+美しいボケ
- マクロ専用にチューニングされたOSS(Z軸補正)
- 4基のXDリニアモーターによる高速AF
- フォーカスブラケットやテレコンとの組み合わせで、顕微鏡レベルの表現まで狙える
「マクロ撮影」というキーワードで本気で上位表示を狙うなら、
記事全体を通して
- マクロ撮影の基礎(入門ニーズ)
- SEL100M28GMという具体的な解決手段(比較検討ニーズ)
- 設定例・テクニック(実践ニーズ)
まで一気通貫でカバーできていることが重要です。
あとは、
実際に撮った 作例写真(物撮り・花・小物・テレコン使用時) を差し込んであげると、検索ユーザーの滞在時間も伸びて、SEO的にもかなり強い記事になるはずです。

