Jabraは日本から“完全撤退”したわけではなく、一般向けイヤホン「Elite / Talk」シリーズのみ2024年末で生産・店頭販売を終了しました。補聴器や法人向けヘッドセットは継続します。
Eliteシリーズは音質・通話性能・多機能性・フラットな音質と個人的にも気に入っていたので、今後Eliteシリーズが購入できないというのは正直悲しくあります。
本記事では 以下のポイントについて解説していきます。Jabra撤退と加え、イヤホン選びの参考にしてください。
- 撤退の背景
- Jabraの今後のサポート体制
- Jabra Eliteに代わるイヤホン・メーカー
Jabraは“完全撤退”したのか

冒頭にも記載していますが、完全撤退はしていません。撤退したのはElite シリーズ(完全ワイヤレス/ヘッドホン)と Talk シリーズ(片耳 Bluetooth)のみです。
撤退対象 | 状態 | 主なモデル |
---|---|---|
一般向けイヤホン | 終了 | Elite 10 / Elite 8 Active など |
片耳Bluetooth | 終了 | Talk 45 ほか |
法人向けヘッドセット | 継続 | Evolve2, Engage |
会議用スピーカーフォン/ビデオバー | 継続 | Speak2, PanaCast |
補聴器(GN Hearing) | 継続 | ReSound など |
今後の補償について
- 既存Elite/Talkユーザーの保証は購入日から2年間有効(国内正規品に限る)。
- 修理部品が払底した場合、同等機種交換や返金対応になる場合あり。
- アプリ「Jabra Sound+」のバグ修正は2025年中を最後に縮小予定。
Eliteシリーズ撤退(終了)の4つの理由
Eliteシリーズが終了した理由は以下の4つだと考えられます。イヤホンの需要が高まる中、低価格化やシェアの奪い合い、ブランドの浸透等が難しかったようです。
- 競争過熱で開発コストが高騰
- Apple・Sonyのハイエンド化と中国勢の低価格攻勢に挟まれ、ミドルレンジを得意としていたJabraは価格競争力を維持できなかった
- 投資対効果(ROI)が頭打ち
- 2023年のコンシューマー部門売上はGN全体の7%弱。限られたリソースを伸びる分野へ振り向ける方が合理的と判断
- リソース集中の経営判断
- 補聴器、法人UCソリューション、ゲーミング(SteelSeries統合)の3領域を「高成長セグメント」と定義し、開発・マーケ費を再配分
- ミドル価格帯のポジション崩壊
- 値下げで台数を追っても利益が残りづらい構造が撤退判断を後押し
既存ユーザーが押さえるべきサポート情報

撤廃にあたり製品生産も行われなくなるため、サポートは今後行われなくなります。次のイヤホンでJabraを選べない以上、早めの買い替え準備がベストです。
今後のサポートについて
- 保証期間:国内正規品は購入日から2年間。並行輸入品は対象外なので要注意。
- 修理在庫:バッテリーやイヤーチップなど消耗品は在庫限り。サポート終了時期は「数年間」とのみ告知。
- ファーム更新:Elite 10 Gen 2までは2025年のアップデートが予定されているが、その後はセキュリティパッチ中心。(Gen 2は日本未発売)
- アプリ依存機能:マルチポイント設定やANC調整はアプリ必須。OSアップデート後に不具合が出た場合、対応が遅れる可能性がある。
取るべきアクション

- Elite/Talkユーザーは保証書・購入証明を必ず保管
- 買い替え検討中なら在庫僅少の今がタイミング
- ビジネス用途がメインなら、Evolve2 BudやSpeak2などJabra法人ラインを継続利用でOK
Jabra Eliteの時代は幕を下ろしましたが、“音”の選択肢はむしろ広がっています。
Jabra Eliteの次に選びたい完全ワイヤレスイヤホンメーカー
メーカー | 推奨モデル例 | モデルの注目ポイント | メーカーイヤホンの特徴・強み |
---|---|---|---|
Sony | WF-1000XM5 | 業界最高クラスANCとLDACハイレゾ、AI自動EQ補正 | 〈高音質×静寂〉を追求するフラッグシップ路線。毎年チップを刷新し、ノイズキャンセリング性能と装着性を継続的に改善する開発力が魅力 |
Apple | AirPods Pro 第2世代 | 適応型オーディオ/パーソナライズ空間オーディオ | iPhone・iPad・Macとのシームレス連携が最大の武器。専用SiPにより接続切替が高速で、Apple製デバイスを複数使う人に最適 |
Bose | QuietComfort Ultra Earbuds | 耳形状に合わせるCustomTune ANC、Bose Immersive Audio | “かぶりつく低音”と自然なANCがブランドアイデンティティ。フィッティングパーツが豊富で「長時間でも痛くならない装着感」への評価が高い |
Sennheiser | Momentum True Wireless 4 | aptX Lossless/LC3 Plus先行搭載、広い音場 | プロ用マイクで培った音響技術をTWSに凝縮。“原音忠実”を掲げ、ハイファイ層から根強い支持。次世代コーデック対応が早い点も特徴 |
Panasonic(Technics) | EAH-AZ100 | Dolby Atmosヘッドトラッキング、3台マルチポイント | 日本ブランドならではの緻密なチューニングと長寿命バッテリー。Technics名義では高解像かつフラット指向の“オーディオ的”サウンドが光る |
Anker (Soundcore) | Liberty 4 NC | 98 %カットのアダプティブANC、50 h再生 | 「1万円台で全部入り」を実現するコスパ重視路線。アプリ機能が年々強化され、EQ・測位ANC・ゲームモードなど多彩なカスタマイズが可能 |
SOUNDPEATS | Capsule3 Pro+ | xMEMS+12 mmダイナミックのハイブリッド、LDAC対応 | 新技術をいち早く低価格帯へ投入する“チャレンジング”な国内外ユーザー向けブランド。軽量筐体とタップ操作のレスポンスが良好 |
使い分けガイド
- ANCと音質の両立 → Sony・Bose
- Apple製品との連携 → AirPods Pro
- 有線級の高解像感・新コーデック → Sennheiser・Technics
- コストパフォーマンス重視 → Anker・SOUNDPEATS
自分の優先条件(音質・通話・装着感・OS連携・予算)を軸に絞り込めば、Jabra Eliteからの乗り換えでも満足度の高い一台が見つかります。
Jabra Eliteシリーズ販売終了の理由と今後のおすすめイヤホン
Jabraのワイヤレスイヤホン撤退は残念ですが、Jabra Eliteが担っていた「高い通話品質 × ノイズキャンセリング × マルチポイント × お手頃価格」という価値は、他のブランドでもカバーできています。
用途と予算を照らし合わせて、自分の“必須条件”に最も合うモデルを選んでいきましょう。
よくある質問・FAQ
- 撤退が公式に発表された日は?
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2024年6月11日、親会社GNがプレスリリースでElite/Talkシリーズの段階的終了を表明しました。
- 在庫はいつまで買える?
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GNは「在庫削減を2024年末までに完了予定」と説明しており、年内をめどに新品流通はほぼ終了すると見込まれます。
- 既存ユーザーの修理・サポートは続く?
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GNは「数年間はサポートを継続する」と明言しており、保証期間内の修理やファーム更新は当面提供されます。
- 2年保証は有効?
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Elite各モデルの2年限定保証(防塵防水/故障)は撤退後も有効で、購入レシート+Sound+登録で従来通り受けられます。
- Sound+アプリはこれからも使える?
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アプリ自体は継続提供され、数年間はバグフィックスや基本機能が維持される予定ですが、大規模新機能は縮小の可能性があります。
- Elite 10 Gen2/Elite 8 Active Gen2を今買っても大丈夫?
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これらは「最後の新モデル」であり、販売後も数年間のサポート対象。長期使用を考えるなら在庫が潤沢なうちの購入が安心です。
- Jabraは完全撤退するの?
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消費者向けオーディオのみ終了で、法人向けEvolveヘッドセットやBlueParrottなど他事業は継続。ブランド自体が消えるわけではありません。