α1 IIを選んだ理由|α7R Vと最後まで迷ったマクロ・物撮り勢の結論

カメラ選びは、スペック表を見れば見るほど沼ります。特にα7R Vとα1 IIのように、どちらも完成度が高いモデルだと「結局どっちを選ぶべきなのか」について検索と脳内シミュレーションを繰り返してしまう…。

この記事では、以下の条件でα7R Vとα1 IIを本気で比較したうえで、それでもα1 IIを選んだ理由を言語化したものです。

  • 物撮り・マクロ撮影が中心で動体撮影の機会は「ゼロではない」がメインではない
  • ストックフォトで需要のある画を安定して作りたい
  • ボディは頻繁に買い替えず「長く使える一台」を育てたい
  • プライベートでは旅行メインで利用、脚立の使用は避けたい

スペック列挙ではなく、

  • マクロ・物撮り・ストックフォト運用
  • 生き物寄りマクロや低照度環境
  • 長期運用コスト(PC・ストレージ含む)

まで踏まえて判断したプロセスをまとめています。α1ⅱの購入に迷ってる方の参考になれば嬉しいです。

目次

結論:静物オンリーならα7R V、「マクロ+汎用+速度」を1台でまとめるならα1 II

本来あるべき選択は結論の通りになります。

α7R Vを選ぶ以下値のある条件

  • 三脚前提の風景・商品・ブツ撮りがメイン
  • マクロも「動かない被写体」をじっくり撮ることが多い
  • 電子シャッターの歪みや連写性能をそこまで重視しない
  • 予算はレンズ・ライト・モニターに厚く回したい

α1 II を適正スペックとして選ぶ価値がある条件

  • 生き物寄りマクロ(虫・爬虫類・水中・花+風など)を本気で撮る
  • 電子シャッターを常用したい(静音+フリッカー+歪み耐性)
  • ときどきスポーツ・子ども・ペットなど動体も撮る
  • 撮影テンポと打率、現像耐性を重視する
  • 数年単位で戦えるフラッグシップを「資産」として使いたい

「誰にとってもα1 IIが正解」ではありません。ただし、マクロ+物撮り+汎用全部盛り勢にとって、α1 IIはオーバースペック気味ではあるがちょうどいいスペックになるという話です。

ここから、その理由を分解していきます。

α7R V vs α1 II:スペックを簡単に整理

公式スペックの要点だけ、マクロ目線で関係あるところに絞ります。

α7R V(ILCE-7RM5)

  • 約6100万画素 裏面照射型CMOS(非積層)
  • 次世代AIプロセッシングユニット搭載
  • 最高約10コマ/秒連写
  • 高解像+高精度AF、静物・風景・商品撮影に非常に強い

α1 II(ILCE-1M2)

  • 約5010万画素 フルサイズ積層型Exmor RS CMOS
  • BIONZ XR + 高度なAIプロセッシング
  • 電子シャッターで最大30コマ/秒、ブラックアウトフリーEVF
  • 読み出し高速化によるローリング歪み・フリッカー耐性の改善
  • フラッグシップとして動体+静物をトータルに想定

どちらも

  • 高い解像力
  • 高度なAF
  • 動画性能も十分に満たしている

なので、「スペック表だけ見ても決着はつかない」のが正直なところです。問題は、

この2台が生物撮影・マクロ撮影でどう振る舞うか。

カメラ選びで自分が重視した4つの軸

この記事の判断軸を先に明示しておきます。

  1. ストックフォト/クライアントワークで需要のある画を安定して出せること
  2. 物撮り・マクロでの質感描写(ガラス・金属・水滴・日用品)
  3. 生き物寄りマクロや低照度環境での歩留まり
  4. 長く使える処理性能・ワークフローの余白

この4つを満たす一台として、最終的にα1 II側に寄りました。

α7R Vが合理的だと感じたポイント

まず、α7R Vを落とすためにα1 IIを持ち上げるつもりはないので、「Rでいい人」の条件もはっきり書きます。

1. 6100万画素の解像力はやはり魅力

  • 三脚+低ISO+しっかりしたライティング環境では、61MPの情報量はそのまま武器。
  • 風景・建築・商品撮影・パターン系ストックでは、トリミング耐性も含めて素直に強い。

2. 価格差

  • α7R Vのほうが明らかに安く、その差額を
    • G Masterレンズ
    • ライティング
    • モニターやカラマネ環境
      に投資したほうが総合力が上がる人も多い。

3. 静物マクロとの相性

  • 商品・テーブルフォト・花などを「じっくり詰める」スタイルなら、
    61MPをフルに活かしやすいのはこっち。

静物メイン勢にとって、α7R Vは今でも超王道解答。

α1 IIを選んだ決め手①:積層センサーの質感+速度のちょうどよさ

積層センサーは「動体機」のイメージが先行しますが、α1 IIを触ると、

  • 暗部ノイズのまとまり
  • 階調の滑らかさ
  • 影の中の情報の粘り
  • 黒の締まり方

物撮り・マクロでもかなり気持ちいい方向に出てくれます。

マクロ寄りの被写体(ガラス・金属・水滴・陶器・コスメなど)は、

  • 「線の解像」よりも「光と立体感の説得力」で選ばれる

ので、

61MPか50MPか、というより
「どこまでシャドウを持ち上げても破綻しにくいか」
「パキッとさせても質感が安っぽくならないか」

のほうが重要でした。

その点で、50MP積層のチューニングが自分のストック&物撮り用途にハマったのが1つ目の理由。

決め手②:生き物マクロ・低照度で電子シャッターを安心運用できる

ここがα1 II最大の強みであり、「マクロ勢ほど効くポイント」です。

  • 生き物マクロ(虫・小動物・両生類)
  • 水族館や展示(暗所+ガラス+LED)
  • 植物+風で揺れるシーン

こういう場面では、

  • できるだけ高速シャッター
  • できればサイレント(逃げられない/周囲に配慮)
  • 連写で瞬間を拾いたい

という要件が同時に乗ります。

α1 II

  • 高速読み出しの積層センサー+30fps連写
  • ブラックアウトフリーEVF
  • 電子シャッター時のローリング歪み・フリッカーが大幅に抑制された設計

→ 「電子シャッター常用でいいか」という判断がしやすく、
  マクロ+動体寄りの現場で“悩む時間を減らせる”のが実務的にデカいです。

α7R Vでも撮れますが、

  • 歪みを意識してメカに切り替える
  • フリッカー環境で一手増える

といった「小さな判断コスト」が積み重なりがちで、ストック用に大量生産したいときに効いてきます。

決め手③:撮影テンポと“打率”が上がる=ストックで強い

ストックフォトは「一枚の完璧さ」以上に 「量×打率」 がものを言います。

α1 IIを選んで感じたのは、

  • AFの食いつきと追従で「惜しいピンズレ」が減る
  • 微ブレしにくい(高速シャッターを使いやすい)
  • 現像での救済幅が広く、「使えるカット」が増える

結果的に、

同じ時間で「採用カット」が増える
=売り物になる写真の生産性が上がる

これがフラッグシップの値段差を「回収できる可能性」に直結すると判断しました。

「画素数」より「歩留まり」が売上に直結する人にとって、α1 IIは“贅沢品”ではなく“効率化ツール”寄りの存在です。

決め手④:50MPで十分以上。61MPとの差は“条件が完璧なとき限定”になりがち

正直ここも大きい。

  • 50MPでもA3〜A2プリント、Web用途、ストック用途では完全にオーバースペック
  • 61MPの優位は「シビアな条件を整えたとき」に真価を発揮するが、
    • マクロでF16〜22
    • 手持ち
    • 被写体も自分も揺れる

みたいな現場では、センサーより撮影条件のほうがボトルネックになりやすい。結果として、

「61MPをフルに活かせる現場」と
「50MPで十分すぎる現場」

を冷静に並べたとき、自分の比率では 50MP stackedのほうがバランスが良かった

決め手⑤:長く使える“余白”とワークフロー

α1 IIには、

  • 処理性能・バッファ容量
  • CFexpress Type A対応
  • 高速連写・高速書き込み

といった「余白」があります。これは単にスペック厨ポイントではなく、

  • 数年後のファイルサイズ増加や処理要求の上昇にも耐えやすい
  • 現像・納品までのテンポを落とさずに運用できる

という意味で、長期運用前提の“資産”として選びやすい要素でした。

もちろんα7R Vも十分強いですが、「フラッグシップ側に倒しておく安心感」を重く見た、というのが正直なところです。

決め手⑥:“撮りたくなるカメラ”であること

最後は完全に主観ですが、無視できない要素。

  • シャッターの感触
  • グリップしたときの一体感
  • ブラックアウトフリーEVFの没入感

このあたりは 「撮影体験そのものを押し上げる要素」で、スペック表には出てこないけれど、継続して触っていると確実に効いてきます。

ストックでも趣味でも、

「このカメラを持って外に出たい」と思えるか

は、結果的に撮影量=経験値に直結するので、高くても“気持ちよく使えるか”は投資判断の一部としてカウントしています。

α7R Vを選んだ方がいい人/α1 IIが刺さる人

α7R Vがベストな人

  • 風景・建築・商品・静物がメイン
  • マクロも三脚や落ち着いた環境でじっくり派
  • 電子シャッター性能や30fps連写にそこまで価値を感じない
  • 予算をボディよりレンズ・照明・モニターに回したい

→ 迷わずα7R VでOK。画質もAFも十分すぎます。

α1 IIが“適正解”になる人

  • 生き物マクロや屋内展示など「半動体〜動体マクロ」が多い
  • 電子シャッター常用で静音&フリッカー耐性を取りにいきたい
  • 子ども・ペット・スポーツ・鳥なども1台で撮りたい
  • ストックや案件で「歩留まり」と「作業効率」がそのまま売上に響く
  • 数年単位で使うフラッグシップに投資する覚悟がある

→ その条件なら、α1 IIはオーバースペック風に見えてドンピシャです。

まとめ|α1 IIは「マクロ+物撮り+汎用を1台で完結させたい人」の合理解

スペックだけ見れば、

  • 解像度:α7R Vの勝ち
  • 価格:α7R Vの勝ち

です。

それでも最終的にα1 IIを選んだのは、

  • 積層センサー由来の速度と質感
  • 電子シャッター運用の自由度
  • 生き物マクロや低照度での歩留まり
  • ストックワークフロー全体の効率
  • 長く使えるだけの余白と「撮りたくなる感」

これらを全部まとめて評価したとき、

「自分の撮り方だと、α1 IIのほうが“無駄なく欲張れる”」

と納得できたからです。もしあなたも同じように、

  • α7R Vで十分な気もする
  • でもα1 IIが気になってタブを閉じられない
  • マクロや物撮りも、動体も、長期運用も、全部欲しい

という沼にハマっているなら、

  • この記事の「向いてる人/向いてない人」のところに自分を当てはめてみてください。
  • それでもα1 II側に自分の条件が寄るなら、その迷いはただの物欲ではなく、撮り方と機材の相性の問題かもしれません。
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