はじめに、迷っている時点で欲しいのは「最適解」じゃなくて「後悔しない解」。
可変式ダンベルの重量選びは、センスじゃない。基準(ものさし)を先に決めれば、誰でも同じ答えに辿り着く。
その「ものさし」がこれ:
- 筋肥大・引き締め目的の基本は「8〜12回で限界が近い負荷」
- 初〜中級の目安として70〜85%1RMで8〜12回など
- 筋持久力(回数多め)なら軽〜中負荷で15回超が推奨される整理もある。
この基準で、あなたに必要な「何kg×何kg」を短時間で確定させていきます。
まず超重要:この「何kg×何kg」を勘違いすると詰む
32kg×2 = 片手32kgのダンベルが2本(左右)って意味になります。1本だけ買うと、ダンベルベンチみたいな両手種目で左右が揃わない。買い直しコースになりやすい。
30秒診断:あなたは20kg×2?32kg×2?36kg級?
当てはまる方を選んで。迷ったら上(YESが多い方)が優先。
Q1:背中・脚も「ダンベルで」鍛える?
- YES → Q2へ
- NO(胸・肩・腕中心/脚は自重やスピンバイク中心) → 20kg×2が現実的
Q2:ワンハンドロー or RDL(ルーマニアンデッドリフト)を重さで伸ばしたい?
- YES → 32kg×2が本命
- NO(回数多め・パンプ狙い) → 20kg×2でも成立しやすい
Q3:将来的に「買い替えたくない」?
- YES → ほぼ 32kg×2
- NO(まず習慣化が最優先) → 20kg×2でもOK
Q4:すでに筋トレ経験があり、背中・脚で片手30kg近辺を普通に扱う?
- YES → 32kgが上限になりやすい。36kg級 or 別手段も視野
- NO → まず32kg×2で十分なことが多い
「目安」じゃなく「確定」させる方法:必要上限を逆算する
自分の答えを確定させたいなら、これが最短。
ステップ1:あなたの「上限を決める種目」を1つ決める
可変式で上限が足りなくなりやすいのは、だいたいこのへん:
- 背中:ワンハンドロー
- 脚:ゴブレットスクワット/RDL
- 胸:ダンベルベンチ/フロアプレス
- 肩:ショルダープレス
上限を決める種目は「背中 or 脚」になりやすい。胸や腕だけなら軽めで回せる人が多いから。
ステップ2:「8〜12回で限界が近い重さ」を作れるかを見る
ACSMのポジションスタンドでは、初〜中級者に対して70〜85%1RMで8〜12回(1〜3セット)のような推奨が示されている。
だから、あなたの主役種目で8〜12回が限界に近い重さを作れる最大重量 = 必要上限。
ステップ3:1RMなんて測れない?なら推定でいい(十分実用)
1RM推定は誤差がある。けど購入の目安には使える。
代表的な推定として Epley式:推定1RM = 重さ × (1 + 回数/30)
例)片手20kgで10回できる
推定1RM ≒ 20 × (1 + 10/30) = 26.6kg
→ 70〜85%は約18.6〜22.6kg
→ 8〜12回で追い込むなら、片手20kg前後が中心になりやすい
(= 20kg上限が“ギリ”になりやすい)
この計算で、20で足りるか/32が必要かがだいぶ明確になる。
NUO-FLEX2.0(例)でわかる:20kg・32kg・36kgの違い
整理します。
20kgモデル:まず習慣化したい人向け(ただし上限は早めに来る)
- 20kgモデルは10段階と記載されている。
32kgモデル:迷うならここ(2kg刻みで伸ばしやすい)
- 32kgモデルは2〜32kg、16段階の切替として明記されている。
これは強い。2kg刻みで刻めると、伸びが止まりにくい(「あと1段階だけ上げたい」ができる)。
36kgモデル:上限が欲しい人向け(ただし刻みが均等じゃない)
36kg系は販売情報で、段階が
3/5/7/9/12/14/16/18/21/23/25/27/30/32/34/36(16段階)
のように掲載されている。
見て分かる通り、9→12、18→21、27→30が3kg飛び。「細かく上げたい」人ほど、この飛びが気になる可能性がある。
早見表:あなたが選ぶべき上限はこれ
| 目的 | 典型的なやり方 | おすすめ上限(目安) |
|---|---|---|
| 運動不足解消・健康 | 回数多め、フォーム最優先 | 20kg×2でも成立しやすい(ただし継続で不足しやすい) |
| 引き締め・見た目を変えたい | 8〜12回で追い込みたい | 迷うなら32kg×2が無難 |
| 背中・脚まで重量で伸ばしたい | 低〜中回数も混ぜる | 32kg×2以上を前提(36kg級/別手段も検討) |
※「男性は30kg、女性は20kgが目安」といった提示をしているメーカー/販売者もある(あくまで目安)。
ありがちな失敗パターン
失敗1:軽い重量で“回せる”のに満足して、上限が足りなくなる
胸・肩・腕は軽めでも回せる。でも背中と脚は、上限が不足すると成長が止まりやすい。
→ 迷ったら32kg×2が後悔しにくい理由はこれ。
失敗2:1本だけ買って後から2本目が欲しくなる
両手種目で重量差が出ると、地味にストレス。
→ 最初から×2を前提で考えるのが安全。
失敗3:36kgにして「刻み飛び」がストレスになる
飛びがあるのは仕様として明記されているので、これは好み。
「細かく伸ばしたい」タイプなら32kgのほうがハマることがある。
よくある質問(FAQ)
- 可変式ダンベルは片手何kgあれば十分?
-
目的次第。筋肥大・引き締め寄りなら「8〜12回で限界が近い負荷」を作れるかが基準になる。初〜中級では70〜85%1RMで8〜12回の推奨が示されている。
- 20kgと32kgで迷う。どっちが後悔しない?
-
背中・脚までダンベルでやるなら、上限不足が起きにくいのは32kg。32kgモデルは2〜32kgの16段階と明記されている。
- NUO-FLEX2.0の32kgは本当に2kg刻み?
-
販売ページに、2kg-4kg-…-32kg(16段階)として記載がある。
- 36kgは「2kg刻み」って書いてあるのに飛ぶの?
-
段階が 3/5/7/9/12… のように掲載されており、一部が3kg飛びになる。
- 回数多め(15回以上)でやるなら軽くてもいい?
-
筋持久力目的では、軽〜中負荷で高回数(>15回)という推奨が示されている。ただし、上限が低すぎるといずれ物足りなくなる可能性はある。
- 推定1RMって信用できる?
-
推定式は複数あり、誤差が出る。けど「購入の目安」には十分使える。Epley式の一例は 1RM = W×(1+r/30)。
まとめ:結局、何kg×何kgが正解?
- まず習慣化/上半身中心 → 20kg×2(20kgは10段階表記)
- 迷ったらこれ → 32kg×2(2〜32kg、16段階)
- 背中・脚を重量で伸ばしたい上級寄り → 36kg級(ただし一部3kg飛び)

