Bluetoothイヤホンを使っていると、「LC3」「SBC」「AAC」「aptX」「LDAC」といった単語を見かけたことがあるはずです。
これらは、Bluetoothで音を送るときに使われる「コーデック(音声圧縮方式)」の種類で、音質・遅延・接続の安定性に関わってきます。ただ「コーデックって何?」「結局どれが良いの?」と迷う人も多いと思います。
この記事では、Bluetoothの基礎知識から主要コーデックの違いを、比較表つきで整理します。用途(音楽/動画/ゲーム/通話)に合う選び方がわかるようにまとめるので、イヤホン選びの参考になれば嬉しいです。
結論
- iPhoneユーザー
- 基本は AAC / SBC
- 高機能コーデックを使いたい場合はUSB接続のBluetooth送信ドングルが必要
- おすすめイヤホン:AirPods Pro 3
- Androidユーザー(音質寄り)
- LDAC対応なら音質重視の最有力(最大 330/660/990kbps)
- 環境によってモード(ビットレート)が切り替わる
- 音質や安定性は端末実装・電波状況にも左右される
- おすすめイヤホン:EAH-AZ80-S
- LDAC対応なら音質重視の最有力(最大 330/660/990kbps)
- Androidユーザー(ゲーム/動画で遅延を減らしたい)
- aptX Adaptive(低遅延モード含む)が現実的
- 仕様上、低システム遅延(約80ms)
- aptX Low Latency(約40ms)を目指す場合はを送信アダプタ込みで揃えるのが前提
- おすすめイヤホン:MOMENTUM True Wireless 4
- aptX Adaptive(低遅延モード含む)が現実的
- 次世代(LE Audio)狙い
- LC3
- 同等品質をより低ビットレートで狙える設計で省電力
- フレーム長7.5/10msなど低遅延設計(実測は機種依存)
- おすすめイヤホン:WF-1000XM5
- LC3
関連記事
Bluetooth®(ブルートゥース)とは?

Bluetoothは、スマホやPCなどの機器同士を近距離で無線接続するための規格です。最初期のBluetooth仕様は1999年に公開されています。
いまはイヤホン/ヘッドホン用途では「Classic Audio(従来のA2DP)」と「LE Audio(新世代)」が混在しています。
Bluetoothのバージョンは直接音質には影響しませんが、バージョンが新しいほどデータ転送速度が上がり接続が安定するため、間接的には影響してきます。
Bluetooth®(ブルートゥース)の由来
Bluetoothという名前は、10世紀に活躍した北欧の王様「ハーラル・ブルートゥース」からきています。
この王様は、異なる部族をまとめて平和をもたらしたと言われています。その精神を引き継ぎ、「異なるデバイスをつなぐ技術」にこの名前が付けられました。ロゴマークもこの王様のイニシャルをデザインしたものだとか。
Bluetooth®(ブルートゥース)の遅延について
Bluetoothは音声データを圧縮 → 送信 → 復号します。この過程で「コーデック処理」と「バッファ(途切れ防止の溜め)」が入るため、映像と音のズレ(遅延)が起きやすいのが弱点です。
ここで重要なのは、遅延はコーデックだけで決まらないこと。端末・OS・ドライバ・イヤホン側の実装で普通に変わります。実測でもSBC/aptX/LDACが200〜300ms台になる例はあります。だからこそ、用途(動画/ゲーム/通話/音楽)に合わせた選び方が必要になります。
コーデックとは?

コーデック(codec)とは、「coder-decoder」(エンコードとデコード)または「compressor-decompressor」(圧縮と展開)の略語になります。
音楽や動画をデジタルデータとして保存すると、データ量が非常に大きくなります。そのままでは通信や保存に不便なので、圧縮して小さくする必要があります。コーデックは、この圧縮技術を提供するものであり、また元の状態に戻すためのデコードも行います。
音楽や動画でのコーデック
Bluetoothイヤホンやスピーカーが通信に利用するコーデックは、音質や遅延、互換性に影響を与えます。
音声コーデックと簡単な特徴
- SBC(Sub-Band Codec)
- Bluetoothで最も一般的な標準コーデック
- 互換性が高いが、音質が他のコーデックに比べ劣ることがある
- AAC(Advanced Audio Codec)
- iPhoneやApple製品で採用されており、音質が良好
- aptXシリーズ
- 高音質で遅延が少なく、特にAndroidデバイスで広く利用
- LDAC
- 高解像度音源対応の高音質コーデックで、Sonyが提供
動画コーデックと簡単な特徴
- H.264
- 広く使われている動画圧縮形式で、HD動画に適している
- H.265(HEVC)
- H.264の後継で、4Kや8K動画向けに効率を向上
- AV1
- 次世代動画コーデックで、効率性とオープン性が特徴
- VP9
- YouTube主流
コーデックは、どのような音質や映像品質でデータが再生されるか、またどれくらいのデータ容量や通信速度が必要かに直結します。
LC3 (LE Audio)

省電力・ブロードキャスト・マルチストリーム対応
LC3(Low Complexity Communications Codec):省電力・ブロードキャスト・マルチストリーム対応の次世代コーデックで、Bluetooth 5.2でLE Audioが導入。端末・イヤホン双方がLE Audio対応で初めてLC3で採用されるLE Audioの標準コーデックです。
同じビットレートならSBCより高音質、同じ音質なら設計次第で約50%省電力可能になります。また低ビットレートでも品質を確保しやすく、設計の自由度に優れています。
LC3の特徴
- ビットレート範囲
- 低ビットレートでも破綻しにくい設計。
- 遅延(lc3 遅延の目安)
- フレーム長は7.5 ms / 10 msを採用可能で、システム全体では条件付きでおおよそ20〜40ms台も狙える低遅延設計
- 従来のSBCより明確に低遅延になりうるため、動画視聴やカジュアルなゲーム用途とも相性が良い
- 機能拡張
- マルチストリーム対応:左右それぞれに直接送信し、リップシンクのズレを軽減
- Auracast™ ブロードキャスト:空港や映画館などで、同じ音声を多数の人に同時配信可能
- 普及状況
- 2025年時点で、LE Audio対応スマホやイヤホンが増加中。今後「標準」になる可能性が高いコーデック
aptX Lossless

CD品質ロスレス。Snapdragon Sound必須
aptX Lossless は aptX Adaptive の拡張として提供され、電波状況に応じてビットレートを可変させながら、条件が良い場合は CD相当(16-bit/44.1kHz)のロスレス伝送を目指す方式。
最大ビットレートはおおむね約1.1〜1.2Mbps程度。
帯域が不足する環境では自動的に圧縮側(aptX Adaptive相当)に寄せて途切れを抑える。遅延の目安は aptX Adaptive が掲げる「低システム遅延 約80ms」ですが、実際の遅延は端末実装にも依存。
利用には送信側・受信側の両方が aptX Lossless に対応している必要がある。
aptX Losslessの特徴
- CD 相当のロスレス
- 電波が不安定になると自動で圧縮モード(aptX Adaptive)へフォールバックし、途切れを最小化
- 帯域が足りないときは自動で圧縮側に寄せる(=Losslessとしては成立しない)
- 遅延
- 低システム遅延 約80ms(ゲーム許容範囲)
- 要件
- 送信側・受信側ともに aptX Lossless 対応が必要
SBC (Sub Band Codec)

シンプルで安定して使えるが、特別に高音質というわけではないコーデック
SBC(Subband Codec)は、Bluetoothで音声を送るA2DPで標準(必須)となる基本コーデックで、A2DP対応機器同士なら互換性が高いのが特徴です。
一方で音質や遅延は、SBCの設定や製品側の実装(バッファ設計など)に左右され、状況によっては他コーデックより不利に感じることがあります。
音質や映像との同期を強く重視しない用途なら、SBCでも実用上問題になりにくいケースが多いです。
AAC (Advanced Audio Coding)

音楽好きなiPhoneユーザーにピッタリのコーデック
AAC(Advanced Audio Coding)は、Bluetooth(A2DP)で使われる代表的な音声コーデックの一つで、iOSデバイスはAAC(MPEG-2/4 AAC)をサポートしています。
一般に、同じビットレート条件ではSBCより高音質になりやすいと言われています。(ただし実際の音質や安定性は、送受信機の実装や設定にも左右される)
遅延は用途(動画・ゲーム)では気になることがあり、コーデック差だけでなくOSやバッファ設計の影響も大きい。AndroidでもAACを使える端末は多いが、A2DP上ではAACは必須ではないため、対応状況や品質は機種差が出る場合があります。
AACの特徴
- 音質が良い
- SBCよりも高い音質を提供でき、特に音楽を聴くときにクリアで細やかな音を楽しめる
- 互換性
- Android でも AAC は使えるが、端末実装によりビットレートがばらつくため音質差が出やすい
- 遅延
- ゲームや動画視聴では少しズレが気になることがある
aptX

音楽や動画をいい音で楽しみたいAndroidユーザーにぴったりのコーデック
aptX(エイプトエックス)は、Qualcomm系のBluetoothオーディオコーデック群の一つで、SBC以外の選択肢として採用されることがあります。aptXには複数の派生(HD / Low Latency / Adaptive / Lossless など)があり、対応状況は機器によって異なります。
aptXの特徴
- 音質が良い
- 代表的な仕様の目安として、44.1kHz時に約352kbps(48kHz時に約384kbps)といった形で説明されることが多い
- 最終的な音質は、送受信機の実装や電波状況にも左右される
- 遅延
- Classic aptX自体は低遅延特化ではない
- 低遅延を重視するなら、aptX Low Latency / aptX Adaptive などの対応有無を見るのが確実
- 互換性
- 使うには送信機と受信機の両方が同じaptX系に対応している必要がある
- WindowsはA2DPでaptX Classicをサポート(対応OS表あり)
aptXは音楽や映画を高音質で楽しみたい人、遅延が少ない環境で快適に使いたい人に適しています。特に、ゲームをしながら音のタイミングを重視する場合や、Androidユーザーには非常に便利なコーデックです。
aptX HD

ワイヤレスでもできるだけ高音質で音楽を楽しみたい人にピッタリのコーデック
aptX HDは、aptXファミリーの高音質向けコーデックで、24-bit / 最大48kHzの音声を48kHz時576kbps(44.1kHz時は約529kbpsと説明されることもある)で伝送します。
非可逆圧縮でロスレスではないが、高音質を狙った設計です。利用には送信機・受信機の両方がaptX HD対応である必要があります。
aptX HDの特徴
- 高音質
- aptX HDは24ビットの高解像度音源をサポート
- ハイレゾ相当のビット深度に対応するがロスレスではない
- 24-bit/48 kHz・576kbps だが非可逆圧縮
- 効率的な圧縮
- データを効率よく圧縮しながら音質を保つ技術を採用
- 互換性
- aptX HDを使用するには、送信機(スマホなど)と受信機(イヤホンやヘッドホン)の両方がaptX HDに対応している必要がある
- iPhone/iPadでは非対応
- 遅延
- 音質を優先しているため、通常のaptXよりもわずかに遅延が発生することがある
- 音楽鑑賞ではほとんど問題なし
- 低遅延保証の規格ではない
- 遅延重視ならaptX LLやaptX Adaptive推奨
- 音質を優先しているため、通常のaptXよりもわずかに遅延が発生することがある
aptX HDは、ハイレゾ音源や高音質の音楽をワイヤレスで楽しみたい人におすすめです。音質を重視する音楽好きや、オーディオ機器にこだわりのある人に最適なコーデックと言えます。
aptX LL (Low Latency)

タイミングが命の場面で最適なコーデック
aptX LL(Low Latency)は、音と映像のズレ(リップシンク)を抑えることを目的としたBluetoothコーデックで、動画視聴やゲームなど同期が重要な用途に向きます。
aptX LLの特徴
- 極めて低い遅延
- aptX LL対応構成では、約40ms級の低遅延を狙える
- ※aptx.comではaptX LL対応のオーディオアダプタで約40ms達成
- aptX LL対応構成では、約40ms級の低遅延を狙える
- 高音質
- 低遅延を狙いつつ、少なくとも一貫した16-bit品質を前提に設計
- 専用の対応デバイスが必要
- 送信側・受信側が両方aptX LLに対応している必要がある
- ※片側だけ対応では有効にならない
- 送信側・受信側が両方aptX LLに対応している必要がある
- 注意点
- 対応製品は多くなく、スマホ標準機能としては広く普及していないため、TV用トランスミッター等の送信機込みで揃えるのが現実的
- 音質最優先の代替
- ハイレゾ相当(24-bit)を狙うならaptX HD、データ量重視ならLDACなども候補
aptX LLは、音と映像がズレると困るシーンで活躍します。(映画やドラマ視聴、ゲーム、電子機器を使った演奏など)
aptX adaptive

音質も遅延も妥協したくない人に向けた万能型コーデック
aptX Adaptive(エイプトエックス アダプティブ)は、再生コンテンツや無線環境に応じて音質(ビットレート)と遅延のバランスを自動調整するBluetoothコーデックです。
動画・ゲーム・音楽といった用途をまたいで設定なしで最適化することを狙っています。
aptX adaptiveの特徴
- 自動調整機能
- 端末側の利用状況(コンテンツ)とRF環境を加味して、音質または遅延を最適化する設計
- 遅延
- 低遅延モードを備え、低システム遅延は約80ms(実装により約50–80ms)とされる
- 音質
- 仕様上は24-bitに対応し、サンプリング周波数は44.1/48/96kHzが示される(実際の動作は機器実装に依存)。
- 効率的な通信
- ビットレートを可変(典型279–420kbps)にして、厳しいRF環境でも途切れにくさを狙う設計
- 互換性
- aptX adaptiveを使用するには、送信機(スマホなど)と受信機(イヤホンやヘッドホン)の両方が対応している必要がある
aptX adaptiveは、音楽、映画、ゲームと幅広い用途でBluetoothデバイスを使いたい人にピッタリです。「高音質」と「低遅延」の両方を求めるユーザーに最適で、状況に応じて最適な設定に切り替えてくれるため、複数の用途で活躍します。
LDAC

ワイヤレスで最高レベルの音質を楽しみたい人向けのコーデック
LDAC(エルダック)はSonyが開発したBluetoothコーデックで、最大990kbpsで音声を伝送でき、ハイレゾ音源(例:96kHz/24bit)もダウンコンバートせずに扱えることを狙った設計です。
また「Best effort」では電波状況に応じて330/660/990kbpsを自動で切り替え、接続の安定性を確保(環境が悪いとビットレートが下がる)。
遅延は公式に固定値が示されていないため一概に断定できませんが、LDACは高め(例:200〜300ms)とされることがあり、音ゲーやシビアな対戦ゲームのような低遅延重視用途では不利になりやすいです。
LDACの特徴
- 高音質
- 最大990 kbps/最大24-bit/96 kHzに対応し、SBC比で3倍のデータ量
- 柔軟なビットレート
- 990 / 660 / 330 kbpsの3モードを環境に応じて自動切替
- 対応機種
- 多くのAndroid端末やSony製ヘッドホン・イヤホンで対応(要確認)
- 接続の安定性
- 高ビットレートモードでは電波状況の影響を受けやすく、環境によって音切れや自動的なビットレートダウンが起こる場合あり
LDACの遅延に関する目安
LDACは音質最優先の設計のため、遅延は他コーデックより大きめです。
- 一般的な測定例では、約200〜300ms前後になるケースが多く、SBCと同等〜やや大きい
- 映画・アニメ鑑賞程度であれば大きな問題にならないことも多いが、音ゲーやシビアな対戦ゲームには不向きと考えた方が安全
ハイレゾ音源や高音質の音楽を追求したい人に最適です。
Sonyのヘッドホンやイヤホンと組み合わせることで、その性能を最大限に引き出せます。ただし、電波が弱い場所や、接続の安定性が必要な状況では別のコーデックを検討する方が良い場合もあります。
音質順(高音質 → 標準音質)
※あくまでコーデック仕様上の目安です。実際の音質はイヤホン本体のチューニングや実装品質にも大きく左右されるため、高音質を狙いやすい順として捉えてください。
- aptX Lossless(CD相当 16-bit/44.1 kHzを条件付きで実現可能)
- LDAC(ハイレゾ対応・最大990kbps)
- aptX HD(ハイレゾ相当だが非ロスレス)
- aptX Adaptive(環境に応じて調整・高音質も狙える)
- AAC(特にApple製品で安定した音質)
- aptX(バランス型)(No6-7同率)
- aptX LL(音質はaptX相当で低遅延重視)
- LC3(LE Audio世代の高効率コーデック)
- SBC(基本的な標準コーデック)
遅延(低遅延 / 高遅延)
※数値は各種測定例からの「おおよその目安」です。機種・環境・OS設定により大きく変動します。
- 超低遅延(〜50ms級)
- aptX LL(約40ms級 ※構成依存)
- 低遅延(50〜100ms級)
- aptX Adaptive(約50〜80ms / 約80ms)
- aptX Lossless(Adaptive拡張のため同クラス扱い)
- 標準(100〜200ms級になりやすい)
- AAC / SBC / aptX(ここは製品差が大きい)
- LC3(LE Audioは設計上の選択肢が増えるが、一般のストリーミングは100〜200msになりがち)
- 高遅延(200ms以上になりやすい)
- LDAC(200〜300ms級の目安が提示されることがある)
- aptX HD(低遅延保証なし)
Bluetooth(ワイヤレス)イヤホンのコーデックとは まとめ
luetoothイヤホンで音楽や動画を楽しむとき、コーデックはとても重要です。それぞれに得意な場面があるので、自分の使い方に合ったものを選ぶのがポイントです。
また、実際に使われるコーデックは「送信側(スマホ・PC)」と「受信側(イヤホン)」の両方が対応しているものに限られます。イヤホンだけでなく、スマホやパソコン側の対応状況もあわせて確認しておくと失敗しにくくなります。
本記事でコーデックに関する疑問が解消されれば幸いです。
補足(コーデック選び早見チャート)
- ゲーム・動画(ズレ対策):aptX LL / aptX Adaptive(低遅延モード)
- aptX LL:約40ms(※aptX LLエンコーダを積むアダプタ構成で達成)
- aptX Adaptive:Low system latency 約80ms、状況に応じてビットレート/遅延を調整
- LC3はLE Audio対応+低遅延をうたう機器なら候補
- ハイレゾ相当の高音質(非ロスレス):LDAC / aptX HD / aptX Adaptive
- LDAC:330/660/990kbpsを自動制御、ハイレゾ音源をダウンコンバートせず伝送する狙い
- aptX HD:24-bit/最大48kHz・576kbps
- aptX Adaptive:低遅延も狙いつつ、典型279〜420kbpsで可変
- ロスレス(CD相当):aptX Lossless(対応端末・条件付き)
- 通勤・作業BGM(安定重視):AAC(iPhone中心) / aptX Adaptive(Android中心)
- Apple向けアクセサリ設計ではAAC併用が推奨される
- aptX AdaptiveはRF環境に応じた動的調整を前提にしている
- とにかく互換性:SBC(A2DPの必須コーデック
関連記事

補足(コーデック具体値比較)
| コーデック | 最大ビットレート | ビット深度 / サンプリング | 遅延 (目安) | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| aptX Lossless | 最大1Mbps 不安定時はAdaptive側へ | 16‑bit / 44.1 kHz | 70‑90 ms | CDロスレス、Snapdragon Sound必須 |
| LDAC | 330/660/990kbps(自動可変) | 24‑bit / 96 kHz | 160‑210 ms | ハイレゾ対応、音質重視だが遅延は大きめ |
| aptX HD | 576 kbps(48 kHz時) | 24‑bit / 48 kHz | 200-300ms | 高品位だが非ロスレス |
| aptX Adaptive | 276–420 kbps (仕様) 279–420 kbps (通常) | 24‑bit / 48 kHz | 80 ms | 環境に応じ自動調整、低遅延モード有 |
| aptX LL | 352 kbps | 16‑bit / 44.1 kHz | 34–40 ms | 超低遅延、ゲーム向け |
| LC3 (LE Audio) | 16–345 kbps | 24‑bit / 48 kHz | 20–40 ms ※1 | 省電力、Auracast対応 |
| AAC | ~256 kbps (iOS) | 16‑bit / 44.1 kHz | 160–200 ms | Apple製品に最適 |
| aptX | 384kbps@48kHz/325kbps@44.1kHz | 16‑bit / 44.1 kHz | 120–150 ms | バランス良好 |
| SBC | ~328 kbps | 16‑bit / 48 kHz | 150–250 ms | 基本コーデック |
※ 遅延は送信+受信デバイスや環境、実装によって大きく前後します。本表は各種検証記事・仕様値をもとにした一般的な目安です。
※1 LC3はLE Audioとしてのシステム設計に依存。Sonyも「LE Audio(LC3)で遅延が少なくなる」とだけでmsを保証してない。
参照元リンクリスト
- Bluetooth SIG(LC3 / LE Audio) Bluetooth® Technology Website+1
- Sony:WF-1000XM5のLE Audio(LC3) ヘルプガイド+2Sony+2
- Sony(LDACの仕様) ソニー株式会社+1
- Qualcomm / aptX:aptX Adaptive aptX
- Qualcomm:aptX Low Latency(“<40ms”の公式説明) aptX+1
- Qualcomm:aptX HD(576kbpsの公式表記) クアルコム
- aptX Losslessの説明 Android Open Source Project+1
- メーカー公式スペック
- Technics EAH-AZ80(LDAC/SBC/AAC) Hi-Fi・DJ機器・完全ワイヤレスイヤホン – Technics(テクニクス)+1
- Sennheiser MTW4(aptX Adaptive/Lossless/LC3) ゼンハイザーヒアリング公式ストア
Bluetoothコーデックに関するFAQ
- aptX HD と LDAC、結局どちらが高音質?
-
理論上の最大ビットレートはLDAC(330/660/990kbps)のほうが上で、電波状態が良いときは情報量を取りやすい。一方でLDACは状況により自動でビットレートが落ちるため、環境が悪いと差が縮む/逆転することもある。
aptX HDは24-bit対応で、ビットレートは約576kbps(資料によって約570kbps表記)とされ、実装が安定している機種同士なら「安定して高音質」を狙いやすい。 - ゲーム向けに最も遅延が少ないコーデックは?
-
aptX Low Latency(aptX LL)が40ms級を狙う規格として有名(ただし送受信双方対応+送信アダプタ構成など条件が絡む)。aptX+1
aptX Adaptiveは公式にLow system latency 約80msが目安。aptX
iPhoneはBluetoothがAAC中心で、遅延は機種やアプリ側のバッファにも左右されるので、音ゲー・対戦などシビアなら有線 or ゲーミング向け2.4GHzドングルが無難。 - LC3(LE Audio)は従来コーデックと何が違う?
-
LC3はBluetooth LE Audioの標準コーデックで、
- 省電力を含む設計上の改善
- 左右独立(マルチストリーム)
- ブロードキャスト(Auracast)
など、従来のClassic Audio(A2DP中心)では難しかった要件に対応するのが大きい。またLC3は7.5ms/10msフレーム間隔、16/24/32-bit、8〜48kHz(44.1kHz含む)などをサポートし、同等ビットレートでSBCより高品質、またはより低いデータレートでも高品質を狙える。
- iPhoneでハイレゾ再生する方法はある?
-
ppleの案内では、Bluetooth接続はロスレスをサポートしない。そのため「ハイレゾ(特にHi-Res Lossless)」を狙うなら、外部DAC+有線が確実。Apple自身も(例として)変換アダプタで最大24-bit/48kHzまでのロスレス対応に触れている。Appleサポート
一方で、LDAC/aptX系を使いたいだけなら、iPhoneでもUSB-C/LightningのBluetooth送信ドングルで対応コーデックを追加する方法はある(ただしそれでも原理的にロスレス保証ではない)。 - コーデックが違うと電池持ちは変わる?
-
変わり得るけど、コーデック単体で順位付けはしない方が安全。理由は、消費電力は「ビットレート」だけでなく、電波状態・再送・バッファ・ANC/DSP処理・実装の影響が大きいから。
ただしLE Audio/LC3は、仕様策定の背景として低消費電力要件が明確に挙げている。 - aptX Lossless と LDAC、どちらが高音質?
-
aptX LosslessはQualcommがCD品質(44.1kHz/16-bit)のロスレスを狙う技術として説明しており、良好なRF環境では約1.1〜1.2Mbps級にスケールするとされる(環境によって可変、条件次第でフォールバックもあり得る)。LDACは最大990kbpsでハイレゾ相当の伝送を狙うが、方式としては一般に非可逆で、状況に応じてビットレートが変動する。ソニー株式会社
結論:- CD音源をロスレスで通したいなら aptX Lossless(条件が揃う場合)
- ハイレゾ相当の情報量・対応機種の広さ(Android)ならLDAC
が判断軸。





