自宅の一部屋の片隅に、物撮り環境を常設しています。
この記事では、実際に使っている機材を「アイテムレビュー」としてまとめつつ、初心者がつまずきやすいストロボ/アンブレラ/三脚(雲台)を使う理由までセットで解説します。
物撮りは「光・固定・背景」を揃えるだけで、写真のクオリティと作業効率が安定します。そのあたりの説明も交えながら解説していますので、「物撮りを始める」「物撮りが続かない」を解決できる手助けになれば幸いです。
この記事の前提
- 自宅の一部屋で常設する環境(大掛かりな設備は不要)
- 被写体はデスクに置けるサイズを想定
- 机・背景・ライト・三脚を「いつでも撮れる状態」にする
物撮り(ブツ撮り)最小セット
まずはこのセットだけで、物撮りの土台は作れます。
- 背景:ピノスタジオ背景
- 固定:三脚+雲台
- 光:ストロボ+深型白アンブレラ(反射)
「部屋の明るさや背景に左右されず、同じ雰囲気で撮れる」状態を最短で作りやすくなります。
物撮り(ブツ撮り)アイテム一覧
私が利用しているアイテム一覧(ジャンル別)です。全て1.5m×1.5mに設置しています。
- 照明(光を作る)
- 照明(光を整える・拡散する)
- 照明(支える・固定する)
- カメラ(ボディ/レンズ)
- カメラ(固定)
- 背景/色合わせ/作業台
1. 照明(光を作る)
SONY HVL-F46RM(ストロボ)
室内でも安定した光を作る「静止画の主力ライト」
- 環境光に左右されにくく、同じ写りを再現しやすい
- アンブレラと組み合わせると、質感が整いやすい
物撮りのレビュー写真は「毎回同じ品質」を簡単に再現したい。それにストロボは必須です。
メリットは、室内でも光量を確保しやすく、影のコントロールがしやすいこと。デメリットは、直射だと硬さが出やすいこと。
常設なら、最初からアンブレラ反射前提にして、発光量も固定し、撮影の型を作るのがおすすめです。電池や充電の置き場も固定すると電池切れで撮れないと言ったこともなくなります。
こんな人におすすめ
- 静止画のレビュー写真を安定させたい
- 夜でも同じ品質で撮りたい
- 影と質感をコントロールできるようになりたい
定常光でも始められますが、静止画の再現性(品質)を優先するならストロボ中心が楽です。直当ては避けて反射して使いたいので、光量が大きいフラッシュがおすすめです。
NANLITE FC-120C(定常光)
「見ながら整える」ためのメイン定常光
- 影や反射を目視で確認できて、目的の明るさに調整しやすい
- 動画や手元カットにも流用できて常設の価値が上がる
初心者がつまずくのは、だいたい光です。逆に光をコントロールできれば思った通りの写真を撮ることができます。
定常光があると「どう当てればいいか」を見ながら位置調整できるので、試行錯誤の手間がかかりにくくなります。メリットは、撮影前に当たりを作ってからシャッターを切れることです。
デメリットは、条件によってはシャッター速度を上げにくいこと。常設なら、ライトの位置や角度を固定し、電源もワンアクションで入るようにしておくと撮影のハードルも下がります。
こんな人におすすめ
- 光の当て方を早く理解したい
- 動画も含めて一つの部屋で完結させたい
- 撮影の試行錯誤をラクにしたい
写真だけならストロボ中心でも成立します。調整と動画まで含めるなら定常光が便利です。色温度をコントロールできるモデルがおすすめです。
aputure amaran Ace 25C(サブライト)

影・反射をコントロールするサブライト
- 「ここだけ少し明るくしたい」を解決できる
- 小型で置き場所に困りにくく、常設でも邪魔になりにくい
物撮りは最後に「ほんの少し」の調整が必要になります。サブライトのメリットは、小回りが利いて補助光として使いやすいこと。
デメリットは、小さい光源なので当て方によって影が硬くなりやすいこと。常設なら、机の端に定位置を作っておくと、気軽に使えます。
こんな人におすすめ
- 反射物のハイライトを整えたい
- 背景や影を少しだけ調整したい
- 大きなライトを増やしたくない
最初は白紙レフでも代替できますが、調整しやすいのは小型ライト。ストロボや定常光と一緒に使うため、光量や色温度を調整できるモデルがおすすめです。
2. 照明(光を整える・拡散する)
アンブレラ 深型 白 105cm(フラッシュ反射)
影を柔らかくして、質感を整える
- 光源を大きく見せやすく、影が硬くなりにくい
- 設置が速く、撮影のテンポが落ちにくい
深型の白アンブレラは、室内物撮りで最初につまずきやすい「影が汚い」「反射がきつい」をまとめて減らせます。
白の反射はコントラストが強すぎにくく、初心者でも扱いやすいのが利点です。デメリットはスペースを取ること・接触で倒れやすいことです。
こんな人におすすめ
- まずは柔らかい影を作れるようになりたい
- セッティングが面倒で物撮りが続かない
- 硬い直射っぽさを消して、商品っぽい写真に寄せたい
光の漏れをもっと抑えたいならソフトボックスも候補ですが、常設ならアンブレラが扱いやすいです。私は片付けすらせずにずっと開きっぱなしにしています。埃が溜まらないこともメリットです。
3. 照明(支える・固定する)
Manfrotto ブーム コンビブームスタンド(アンブレラ/ストロボ土台)
トップライトや俯瞰を作る「ライト位置の自由度」を増やす土台
- ライトを上から入れられて、俯瞰や反射物に対応しやすい
- ライト位置を変えて影とハイライトを狙って作る
物撮りは「光の高さ」と「角度」で結果が大きく変わります。ブームがあると、机の外側に脚を置いたまま、光だけを上から回せるので、俯瞰やトップライトが作りやすいです。
デメリットは重心が前に出ることです。倒れないように反対側にはウェイトを付け、ブームはなるべく短くすることをおすすめします。使う時だけブームを伸ばし、保管するときは短くする運用が安全ですが、私は出しっぱなしで常設して準備の手間は可能な限りなくしています。
こんな人におすすめ
- 俯瞰やトップライトの写真を安定させたい
- 反射物(ガラス・金属)を撮る機会がある
- ライト位置を増やして表現幅を広げたい
俯瞰だけなら机固定アームでも代替できますが、デスクが狭いと扱いづらくなります。汎用性を取りにいくならブームがおすすめ。
Manfrotto スナップティルトヘッド(アンブレラ/ストロボ固定)

ストロボとアンブレラの角度を安定させる固定パーツ
- 角度ズレを減らして、毎回同じ光を再現しやすい
- 固定することで撮影のたびに角度調整が不要
アンブレラ運用は、「角度」が重要です。ほんの少しのズレで影の位置が変わって、撮り直しが増えます。スナップティルト系は調整が直感的で、固定も安定しやすいのがメリット。
デメリットは規格が混ざると追加パーツが必要になりやすいことです。常設しながら簡単に角度を変えることも可能です。
こんな人におすすめ
- アンブレラ運用を固定化して撮影を速くしたい
- 光の再現性を上げたい
- 撮り直しを少なくしたい
コンパクトながらしっかりアンブレラとストロボを固定してくれます。
Manfrotto アダプタースピゴット 013(三脚アダプター)
規格を合わせて、接続を安定させる「つなぎ目」のパーツ
- 機材同士の規格違いを吸収して組み合わせを成立させる
- 接続部のグラつきを減らして安全性を上げる
物撮りは「光を支える」側の小物が弱いと破綻します。スピゴットは地味ですが、固定の要です。物理的に強度が高いものがおすすめ。
こんな人におすすめ
- スタンド周りの組み合わせに迷いたくない
- 固定の不安を減らしたい
- 「あと1個あれば組める」を潰したい
互換品もありますが規格の取り違えが起きやすいので、最初は定番で揃えるのが無難です。
Manfrotto ライトスタンド 1005BAC(定常光固定)
定常光を安全に支える「常設スタンド」
- ライトの転倒リスクを減らして常設の不安を下げる
- 高さ調整が速いと、撮影の試行錯誤が止まりにくい
常設環境は便利ですが、ぶつかった時の事故は未然に防ぐ必要があります。
スタンドは「安定」が最優先。脚が広がるぶん場所を取りますが、常設なら、脚の位置を固定し、ケーブルを足に沿わせて固定しておくと安心です。
こんな人におすすめ
- ライトを安全に常設したい
- 撮影中のグラつきストレスを減らしたい
- 高さを毎回同じに戻せるようにしたい
安価なスタンドでも可能ですが、常設するなら安定性だけは妥協しないことをおすすめします。
4. カメラ(ボディ/レンズ)
α1 II(カメラ)
レビュー写真も動画も余裕な高性能ボディ
- 細部の描写を残しやすく、レビューの説得力が上がる
- 静止画・動画を同じ環境で回しやすい
物撮りは「細部をどう見せるか」が一つの価値になります。高性能ボディは、撮影そのものより出来上がりの失敗を減らす方向で効いてきます。
高画素であれば細部を残したいカットで余裕がでます。ただし、高解像になるほどブレが目立ちやすいことは気にする必要があります。
リモート・セルフタイマー運用を活用してブレ要因を最初から潰すのが鉄板です。
こんな人におすすめ
- レビューで細部写真を武器にしたい
- 静止画と動画を一本化したい
- 撮影の失敗を減らしたい
SONYであればα1ⅱ、α7Ⅴ、α7Ⅳ、α7rシリーズであれば全く問題ありません。
FE 24-70mm F2.8 GM II(標準ズームレンズ)
標準ズームの基準になるオールラウンダー
- 広角〜中望遠で画角を変えられて、撮影がスムーズ
- 寄り/引きの調整が速く、量産に向く
「24-70mm F2.8」は、物撮り・ガジェット・旅行・日常まで1本で回しやすいど真ん中です。物撮りでも、広角側は状況説明、70mm側は歪みを抑えて商品を綺麗に見せやすいです。
メリットはレンズ交換が減ることで撮影のテンポが上がることです。デメリットは価格が高めなことと、広角側で近づきすぎるとパースが出やすいことです。常設なら、基本は50〜70mm寄りで商品を撮るよう心がけると安定します。
こんな人におすすめ
- 相棒になるズームレンズが欲しい
- ブログ・SNS用・旅行・仕事レベルまで、一本で回したい
- レンズ交換を減らして撮影を続けたい
高価ですが買い直しや使い分けの迷いが減るので、結果的にコストと時間の無駄が減りやすいです。
FE 100mm Macro(マクロレンズ)
質感・細部・素材感を伝えるための主力マクロ
- 小さな文字や加工、素材の表情を見せやすい
- 距離を取りやすく、商品が歪みにくい
レビューでは細部が分かる写真も求められます。マクロレンズはそれを解決してくれます。メリットは質感が伝わるカットを撮影できることで記事の説得力が上がりやすくなること。
デメリットは寄るほどピントと光がシビアになること。「マクロ時のライト位置」を決めて固定し、同じ条件で撮れるようにしておくと成功率が上がります。
こんな人におすすめ
- レビュー写真の説得力を上げたい
- ディテールカットを増やしたい
- 小物・素材・加工をしっかり見せたい
最初は寄れるズームやクロップでも代替できますが、高画素機+マクロレンズがあれば顕微鏡かと思うほど細部まで撮ることができます。
HVL-F28RM(ストロボコマンダー)
ストロボを遠隔操作
- ストロボ位置の自由度が上がって、立体感を作りやすい
- 反射物の撮影で、光の置き場所を増やせる
ストロボをカメラから離せるだけで、物撮りの表現が一気に増えます。メリットは光の角度を変えるだけで仕上がりを調整できることです。
デメリットは多灯にすればするほど管理が難しくなること。最初は1灯運用を固定して、必要になってから増やす方が迷いません。
こんな人におすすめ
- ストロボを本格運用したい
- 光の置き方の自由度をあげたい
- 反射物も安定して撮れるようになりたい
※無線コマンダー運用はカメラ側の対応や設定で挙動が変わるため、確実に多灯・グループ制御までやるならFA-WRC1Mも候補です。
5. カメラ(固定)
Manfrotto befree GT XPRO カーボン三脚
物撮りの再現性を作る「常設の土台」
- 手持ちのブレと構図ズレを消して、品質が安定する
- 俯瞰や低い視点など、同じ部屋で撮り分けができる
物撮りの効率は、三脚で決まると言っていいです。固定できるだけで、撮影が作業として回ります。メリットは構図を固定できて比較カットが量産できること。
デメリットは俯瞰運用では倒れない工夫が必要なこと。常設なら「基本高さ」を決めておき、床の位置も固定すると、毎回同じ状態から始められます。
こんな人におすすめ
- 物撮りを続けられる仕組みにしたい
- 同じ構図で撮れるようにしたい
- 俯瞰やマクロも同じ部屋で完結させたい
最初は手元の三脚でもOKです。ただ、揺れにくい三脚ほど不安定になるため、しっかりした三脚がおすすめです。
Manfrotto XPROギア 3WAY雲台

水平と構図を再現するための微調整雲台
- 構図をミリ単位で合わせられて、撮り直しが減る
- レビューで同じ構図の量産がやりやすい
物撮りは傾きが起こりやすいです。Lightroomなどで調整できますが、全ての写真を修正するより最初から水平の方が手間が減ります。ギア雲台は調整の手間が少なく、水平・垂直が揃いやすいのが強み。
自由雲台よりも確実に元の位置に戻すこともできます。動かすテンポがゆっくりになることがデメリットですが、常設なら雲台は付けっぱなしにして、基本の角度を決めておくと撮影開始の手間が少なくなります。
こんな人におすすめ
- 俯瞰や水平を手間なく揃えたい
- 比較写真を同じ構図で撮りたい
- 微調整に時間を取られたくない
スピード優先なら自由雲台でも十分ですが、再現性や微調整しやすいのはギア雲台です。
6. 背景/色合わせ/作業台
折りたたみデスク(撮影台)
撮影を回すための固定ステージ
- 撮影場所が固定されると、準備が減って続きやすい
- 背景・ライト・被写体の位置を固定できて再現が速い
常設環境の価値は「すぐ撮れる」に尽きます。机が撮影専用になるだけで、撮影の心理的ハードルが下がります。
メリットは背景や被写体の定位置を作れること、デメリットは天板が揺れるとブレに繋がることです。常設なら、被写体位置・背景位置をテープで決めておくと、毎回同じ状態から始められます。
こんな人におすすめ
- 撮影を習慣化したい
- 撮影スペースを毎回作るのが面倒
- 同じ構図で量産したい
既存の机でもOKです。ただし「撮影専用の面」を確保できるほど撮影のハードルが下がります。
ピノスタジオ背景
生活感を消して、写真の統一感を作る背景
- 背景を揃えると写真が一気に商品写真になる
- 記事内の写真が揃って、見た目の信頼感が上がる
物撮りで一番コスパが出るのは背景です。背景が決まると、写真の見た目が揃い、記事全体が整って見えます。
メリットは生活感が消えてレビュー写真として成立しやすいこと、デメリットは背景を増やしすぎると迷うことです。常設なら、まずは1枚を定番にして、シリーズ感を作っていきましょう。
こんな人におすすめ
- 部屋の写り込みを減らしたい
- 記事の写真を統一したい
- まず見た目を整えて信頼感を上げたい
背景紙でも代替できますが、管理が面倒になりがちです。常設なら扱いやすさ優先に。
グレーカード(色被り防止)
色味を揃えるための基準
- ホワイトバランスを揃えて、写真の統一感を出しやすい
- 編集が速くなって、撮影〜記事化の流れが止まりにくい
物撮りは、写真の色がバラつくと一気に安っぽく見えます。グレーカードがあると色の基準ができるので、編集が安定します。効果の割に手間が少ないことが特徴です。
背景の横など必ず目に入る位置に置いておき、撮影前のホワイトバランス調整は必ず実施するようにしましょう。
こんな人におすすめ
- 記事内の写真の色味を揃えたい
- 編集の手戻りを減らしたい
- 撮影から記事化までの速度を上げたい
白い紙でも代用はできますが、基準としての再現性は落ちやすいです。
最小セット
写真レビュー最小セット
- 背景:ピノスタジオ背景
- 固定:三脚+雲台
- 光:ストロボ+深型白アンブレラ(反射)
動画もやる
写真に加えて動画や手元撮影もやるなら、光を「見ながら整えられる」状態にすると進めやすいです。
- 追加:NANLITE FC-120C(定常光)
- 追加:amaran Ace 25C(サブライト)
定常光があると、影や反射の当たりを確認しながら詰められるので、試行錯誤が速くなりやすいです。
まとめ|省スペースに常設できる「光・固定・背景」一式と選んだ理由
自宅の一部屋に物撮り環境を常設できると、「準備の手間」が一気に減ります。
結果として、撮影を始めるまでが速くなり、「ちょっとめんどくさい」が起こりにくくなります。写真の雰囲気も統一されるので、写りが安定してRAW現像の手間が減り、作業が一気にラクになります。
迷ったら、常設は 背景 → 固定 → 光 の順で整えるのがおすすめ。
迷ったらこれ
買い物リスト(迷ったらここだけ)
- 写真レビュー最小セット:背景/三脚+雲台/ストロボ+アンブレラ
- 俯瞰を増やすなら:ブームスタンドを追加
- 動画もやるなら:定常光+サブライトを追加

